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やさしい病気の話

今回は女性の頻尿・尿失禁について」と題して寺邑 敏彦先生が話題を提供します。

最近、テレビや新聞の広告などで女性をターゲットにした頻尿や尿失禁の話題を目にする機会が増えています。当院へもそうした症状で受診される方は多いですが、すすんで受診するよりも、同じような症状のある人の話を聞いてやっと受診する気になったという方のほうが多いようです。頻尿や尿漏れは単に年のせいとは限りません。今回は、女性に多い尿漏れ、頻尿をきたす二つの病気についてお話します。

腹圧性尿失禁

咳、くしゃみ、重い物を持ち上げるときなど、お腹に力が入ったときに尿漏れを起こすものです。

【原因】尿道を締めておくための骨盤低筋群の働きが弱くなったために起こります。経産婦の方に多いですが、高齢者の方や肥満の方にも見られます。

【診察】尿検査と問診が中心になります。超音波検査やX線検査を行う場合もあります。

【治療】薬物療法、行動療法、理学療法、手術療法などがあります。ここでは行動療法としての骨盤底筋運動と、理学療法としての干渉低周波療法について紹介します。

骨盤底筋運動 弱った骨盤底筋を鍛え、筋力をつけることで、臓器が下がるのを防ぎます。また、肛門や腟を締める訓練をすることで、尿道を締めることができ、尿漏れの症状を改善できる可能性があります。過活動膀胱にも効果があります。

下腹部と下臀部に電極を貼り、体内で生じる干渉低周波電流を用いて膀胱及び膀胱周辺の排尿筋、骨盤底筋群に刺激を与え治療を行います。腹圧性尿失禁ならびに頻尿、尿意切迫感などに効果があり、副作用はほとんどありません。 

過活動膀胱

2002年に定義された比較的新しい症候群で、急にもよおし、抑えられない、我慢できない強い尿意があり、頻尿と夜間頻尿を伴う状態をいいます。トイレまで我慢できず漏れてしまうこともあります。

【原因】脳と膀胱、尿道の筋肉を結ぶ神経の障害による神経因性のものと、加齢や出産による骨盤底筋の異常や、原因の特定できない非神経因性のものが考えられています。

【診察】尿検査と超音波検査のほかに、過活動膀胱の場合症状の程度を知るための質問票を用います。

【治療】薬物治療が中心となります。最近では、副作用が少なく過活動膀胱に特に効果的なお薬がいくつか出てきています。他に、生活指導や骨盤底筋運動や干渉低周波療法も効果があります。

最後に

頻尿や尿失禁はここで挙げた病気以外でも生じることがありますが、ほとんどの場合は治療を受けることにより症状が改善する可能性があります。どれか一つでも当てはまる症状がある場合、年齢のせいや仕方ないことと思わず、一度診察を受けてみてはいかがでしょうか。

(寺邑 敏彦  10.07.21.)