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やさしい病気の話

今回は「『白血病』について」と題して茂木睦仁先生が話題を提供します。

白血病という病気に皆さんはどんなイメージをお持ちですか?血液の「がん」で、肺、胃腸その他のがんに比べて少なく、身近に感じることは少ないかもしれません。白血病が題材の小説や映画、ドラマがありますが、わりに珍しい方なのと、一昔前の「不治の病」という印象のためか悲劇的な内容になることが多くて、それでちょっと悲しくなったりします。有名人では、外国だとノーベル賞のキュリー夫人、ケンタッキーのカーネルサンダースさんなど、国内では女優の夏目雅子さんなどがこの病気になりました。最近ではアイドルの吉井怜さん、俳優の渡辺謙さんは病気を克服し、仕事にご活躍なされていますし、めざましテレビの大塚アナは闘病中です。

白血病は人口10万人当たり年間7人程度に発症します。大仙市の人口は9万人弱なので、1年で6人位の方がこの病気になる計算です。やっぱりあんまり身近でないかも、ですね。でも、お子さんからお年寄りまで誰でもなる可能性があり、少しは白血病を知っておいてほしいです。

白血病は大まかに4種類あり、急性と慢性、骨髄(こつずい)性とリンパ性に分けられます。貧血気味でだるく疲れやすい、風邪で熱が出て薬を飲んでも治らない、手足にアザができて鼻血が出やすいなどの症状をきっかけに病院に受診されることが多く、血液・骨髄検査により診断します。治療は、入院して行う抗がん剤治療です。治療が進歩し一部の白血病は内服薬で治ることが可能になりつつありますが、ほとんどの患者さんでは治ったといえる状態(完全寛解)まで点滴治療を何回も繰り返します。悪性度が高い場合は、抗がん剤に加え、他人(ドナー)から血液の元になる細胞を提供していただいて患者さんに投与する、いわゆる骨髄移植を行います。生まれた赤ちゃんのへその緒の血液を用いる臍帯血(さいたいけつ)移植を行うこともあります。骨髄バンクでは、血液の元になる細胞を提供していただける方を募集しています。移植治療は皆さんの善意で成り立つ治療ですので、興味がある方は、当院または骨髄バンクにお問い合わせください。

(茂木 睦仁 15.03.31.)